「ホルムアルデヒド」はなぜ危険?人体への影響と対策について
「ホルムアルデヒドがシックハウス症候群を引き起こす」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?ホルムアルデヒドとはホルマリンの気体であり、不快なにおいで頭痛やめまいなどを引き起こします。水と混ぜると防腐剤となり合板などに使用されるため、家の中にいると影響を受けてシックハウス症候群の症状が出ることもあります。
ホルムアルデヒドとは?どうして発生するの?
ホルムアルデヒドとはホルマリンが気体になったものであり、ホルマリンとはホルムアルデヒドが液体になった水溶液です。揮発性があり、空気中に出る際に独特なにおいを発生します。
なぜ発生するのか
揮発性があることはもちろんなのですが、水に混ぜて防腐剤として使用されることがあるからです。ホルムアルデヒドの使用量は法律によって制限されていますが、規制前に建てられた家や家具は多く含まれているケースがあります。壁や天井などの合板や壁紙・塗料などにも含まれるため、ホルムアルデヒドの濃度が高い空間にいるとシックハウス症候群を引き起こすというわけです。
ホルムアルデヒドが人体に及ぼす悪影響
家の中で症状に悩まされることを「シックハウス症候群」といいますが、症状を感じるのは家の中だけではありません。職場が立て替わったなど、長期間過ごす場所であれば症状が出ることがあります。
人体に起こるさまざまな悪影響
ホルムアルデヒドによって、頭痛・めまい・鼻水・咳・涙・のどの渇きなどが引き起こされます。このほかにもアトピーやぜんそくが悪化するなど、皮膚や呼吸器にも影響が出るようです。
さまざまな症状がありますが、濃度が高いほど重篤性が増します。例えば濃度が0.04ppmの場合は敏感な人がアトピー性皮膚炎になったり、0.5ppmで臭いに不快を感じたりします。
しかし、1ppmで発がん性の危険性が高まり、10ppmになると呼吸困難に陥るようです。50ppmを超えれば肺炎になるほか死亡する可能性もあるため、ホルムアルデヒドが人体にとってかなり危険なことがわかります。
ホルムアルデヒドの除去・対策の方法は?
シックハウス症候群によって引っ越しせざるを得なかったり、職場を変えざるを得なかったりすることもあるかもしれません。しかし、すべての人がすぐに引っ越したり職場を変えたりすることは不可能です。では、ホルムアルデヒドの除去や対策はどうしたらよいのでしょうか。
換気する
もっとも簡単な方法が換気です。窓を開けっぱなしにして長時間放りすることで、空気中のホルムアルデヒドを外に逃がせます。この対策を行った方の中には、1週間続けると目の痛みを感じなくなった方もいるようです。
蒸発させて換気する
「ベイクアウト」と呼ばれる方法を活用します。これは暖房器具を使って温めることにより接着剤などを蒸発させ、換気して外に逃がす方法です。ホルムアルデヒドは揮発性があり、温められると空気に溶けます。そのため温めると気体になり、換気して外に出せるというわけです。
高性能の空気清浄機を使う
性能が高い空気清浄機を使用すれば、1日で臭いが気にならなくなることもあるようです。換気やベイクアウトよりも時間がかかりませんが、高性能空気清浄機を買うにはそれなりの費用がかかります。お金に余裕があったり、空気清浄機の購入を検討していたりする方にはおすすめです。
活性炭を置く
活性炭の浄化作用を利用して対策をしている方もいるようです。水道施設にある高度浄水処理には生物活性炭を使った方法もあり、これを使ってホルムアルデヒドを処理した例もあります。ほかにも、ホルムアルデヒド吸着剤があります。ネットショップなどで簡単に手に入るため、そちらを活用してもよいでしょう。
まとめ
ホルムアルデヒドの危険性について説明し、症状や対策を紹介しました。新しい家やリフォーム・増築した家・職場などで頭痛・めまい・鼻水などの症状があれば、それはシックハウス症候群かもしれません。頭痛やめまいなどの体調不良を感じたら、換気をしたり活性炭や吸着剤を活用したりするなどして対策しましょう。それでも症状が改善しなければ、環境を変えるほかありません。引っ越しや離職をするのも1つの手段ですが、かかりつけ医や家族・職場と相談してから決定しましょう。