不動産業者で加入を勧められる火災保険とは?
万が一、あなたの部屋から火災が起こってしまったら、部屋に対する損害賠償責任が発生します。
火事で全て焼けてしまった状態から修理するには大変な金額がかかりますし、個人で対応できるものではありません。
このような火災のリスクに対しては、火災保険で備えることができます。
お部屋を借りる時には、火災保険への加入を求められるのは火災のリスクに備えるためです。
火災が起きた時の賠償責任
◆自分の部屋が火元となって火事が起こった場合
どのような責任を負わなければならないのでしょうか。
原則として、
火事の火元(失火者)担ってしまっても、重大な過失がなければ不法行為による損害賠償責任を負うことはありません(失火責任法)。
つまり、火災にあって仮に隣家まで焼けてしまったとしても、重大な過失がないのであれば損害賠償をする責任はないのです。
◆賃貸物件の場合は違います
それでは火事が起こっても損害賠償しなくてもいいのかというと、賃貸物件の場合は違います。
大家さんは賃貸物件を契約する時に原状回復についての契約を交わしているので、借りた建物や部屋は、返す時に元どおりにしなければなりません。
過失の有無は問いません。
元どおりにできない場合、債務不履行責任が発生してしまいます。
◆火災保険の中身が重要
火災で焼けてしまった部屋を元どおりにするのは大変な資金が必要です。
火災保険に加入すると、特約部分の「借家人賠償責任保険」を使って保険金が下りるというわけなのです。
火災保険の特約部分というところが気になるでしょう。
詳しく火災保険の中身について見ていきましょう。
火災保険(家財保険)
火災保険は、主契約部分です。
家財保険とも言われます。
火災を始め、落雷や風災、水濡れなどで、家電や家具などが損害を受けた時の補償をいいます。
自分が火元担ってしまった時のほか、隣家からのもらい火などで受けた損害について保険金がおります。
ちなみに、誰かが悪いというわけではないケースでも、例えば雷が落ちてきたなどという場合でも補償されます。
借家人賠償責任保険
借家人賠償責任保険は、火災保険の特約として付帯します。
つまり、単独で借家人賠償責任保険に加入することはできません。
自分が火元になった時などで、大家さんに対する損害賠償責任が発生した時に使う保険です。
この保険に入ることで、焼けてしまった部屋の原状回復の費用をまかなうことができます。
個人賠償責任保険
個人賠償責任保険も特約です。
日常生活で他人に損害を与えてしまった時に補償されます。
火災とは関係のない、自転車で通行人とぶつかる、自分の犬が他人を噛むなどというケースでも補償されることがあります。
使い道がかなり広い保険といえるかもしれません。
自室の水槽が倒れて、下の階に水漏れを起こしたなどというケースもあり得ます。
ただし、自動車保険などに付帯している個人賠償責任保険もあります。
重複しているからといって保険金の二重取りはできないので注意しましょう。
火災保険が使えないケース
火災保険が使えないケースは、地震が原因の火事や地滑りなどによる家財の被害です。
地震保険は、火災保険に加入する時にセットで加入することができます。
保険料の差はどこから?
火災保険といっても様々な保険がありますが、保険料もピンから基地まであります。
どこが違うのでしょうか。
よく見ると、火災保険の保険料が安い契約は家財補償の金額が安いことが特徴です。
家財についてどれくらいの補償が必要なのかという視点で保険を選べば良いことになります。
入居時に加入した火災保険を見直すことも可能
火災保険の見直しは可能です。
家財の補償をアップさせたい、あるいはもっと安くてもいいなどニーズが変わった時は、保険契約の更新のタイミングで他社に乗り換えることが可能です。
まとめ
火災保険には必ず入りましょう。
名前は火災保険ですが、落雷などのリスクに備えることも可能です。
不動産業者ですすめられる火災保険以外での契約もできますので、ニーズにあった契約を検討してみてください。